2022/10/22 23:30


Morris 今回は、今年の試験でMorris LABから愛媛大学 医学部学士編入試験に合格された、いただきまきのさん(@makino_itadaki)にインタビューをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

いただきまきの インタビューいただき光栄です。いただきまきのです。私は現在33歳で、高専国立大経済学部卒業後、社会人でSE→病院経営コンサルを10年ほど経験しました。よろしくお願いします^_^

 

Morris こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。まず初めに、医師を志した経緯を教えていただけますか?

 

いただきまきの はい。きっかけは肉親が精神疾患で長く苦しんでいたことです。精神科へかかるのが遅れ、重症化しました。そこで自身のキャリアも活かし、ITを活用して精神科臨床における医療課題を解決していきたいと考えました。

 

Morris それは大変なご経験でしたね。面接試験などにおいても、医師になった際のキャリアの活かし方について深掘りされたと思いますが、お仕事の内容やスキルなどについて詳しく教えていただけますか?

 

いただきまきの そうですね。SEでは、企業向けの自社会計システム開発からクライアントへの導入まで行っていました。具体的には、フロントデータの夜間自動連携化やDBチューニング、セキュリティウォールのメンテナンスまで色々経験させてもらいました。(←横文字ばかりすみません)

 

病院経営コンサルでは、従業員全員が経営に携わるというコンサルティングスタイルでして、医療だけでなく経営も意識したPDCAを医療従事者の方々に実践いただくようトレーニングや課題に対する戦略検討など行っていました。PDCAというと一昔前のマネジメント手法と見られがちですが、個人レベルでは今でも全く有用な概念だと私自身重視しています✏️

 

Morris おお、なにやらすごそうなお仕事をされていますね!それらの経験・スキルは医師になった際にはどのように生かせそうですか?

 

いただきまきの あ、カタカナなだけで言うほど大した事はしてません笑

 

医師には、SE時代の経験から、大抵のITはキャッチアップできるので、臨床でAIICTを応用する事やデータの解析に活かしたいと思っています。例えばAIから捉えた臨床データを分析し患者の早期発見に役立てたいです。また、コンサル経験からは、利益経営という言葉に嫌悪感を持つ医療従事者の方々を巻き込んで業務の改善を行ってきましたので、そうした協調性を活かして、利害関係者の多い精神科臨床でも様々な人を交えて現場の課題を解決していきたいと思っています。

 

Morris AIの医療への利用に関しては、近年大いに発展している領域ですのでとても活躍できそうですね!脱線しますが、僕は個人的に、医療 x ITの分野に興味がある人にはThe Medical AI Timesのメルマガ登録を強くお勧めしています。直近の注目トピックスをわかりやすくまとめてくれます。

 

実際の面接の場で、将来の展望に対する面接官の反応はどのようなものでしたか?

 

いただきまきの 僕もまさにそのメルマガの記事でうつ病早期発見のAIスピーカーの存在知りました!技術の進歩を感じ、わくわくします(^^)

 

面接では、上記のことにあまり突っ込まれず、「ふむふむ」といった感じでした(;'∀') 臨床における課題と自身の強みを含めた解決策を、リアリティをもって伝えたので、納得して頂けたのかなと思います。

 

Morris 面接でもしっかりと将来像が魅力的かつ現実的に受け止められた印象ですね。僕もいただきまきのさんの面接資料を拝見しましたが、かなりクオリティが高く感動しました。

 

多くの受験生が志望理由の作成に難渋していると思いますが、何かコツや方法論などアドバイスはありますか?

 

いただきまきの ありがとうございます、プレゼンは面接官にも拍手をしたいくらいだと言って頂けました(^^;

 

志望理由はかなり苦慮しました。僭越ながらコツというと、2つです。

 

1つは、成功例を分析し自分のものにすることです。今振り返ると、1人で悶々と考え込むよりも、多方面の合格者の方の志望理由書を分析させてもらいアドバイス頂くことが最短最強だと思います。ロジックの強い方、同業種の方、医療経験者、同じ志望診療科の方に実際に支援いただきました。

 

2つ目は、一貫性とリアリティをチェックすることです。文章内容として、【なぜ医師でないといけないのか→将来具体的に何をしたいのか】が一貫しているか、また医療・研究現場でのリアルなイメージまで落とせているかがとても大切だと思います。一貫性は、自身が解決したい”医療課題”にフォーカスして、その解決のために自身の経験や強みを活かす、という論旨で考えるとよいと思います。リアリティは、自身の実現イメージを医療従事者の方にチェックしてもらうと確実と思います。登場人物が網羅されているか、どんな場所でどんな機材を使うのかまで落とせていると、志望理由だけでなく面接でも自信持って受け答えできると思います。

 

Morris なるほど、とても有益なアドバイスをありがとうございます!ちなみに本番で使用したスライドを拝見することはできますか?笑

 

いただきまきの スライド、個人的な情報もあるのでこちらのスライドのみであればご共有可能です!転倒⇒○転棟)


  

Morris ありがとうございます!ちなみにこのスライドを作る上でこだわっているポイントなどはありますか?

 

いただきまきの そうですね、こだわりポイントとして…内容面は、将来の医師像に活かせる強みを選ぶ事、客観的な事実を根拠とする事です。またデザイン面は、文字は大きくかつ極力少なくする事、色の種類も極力少なくする事でしょうか(当たり前のことばかりですが笑)

 

Morris いえ、貴重なアドバイスをありがとうございます。

 

個人的には、愛媛大受験者の多くがテーマカラーとしてオレンジ(みかん色)を選択していると想定して、差別化のために補色である水色をチョイスしたところが最高だと思いました👀

 

では話題を変えて、学科試験についてお伺いします。勉強の戦略と、実際の経過を教えていただけますか?

 

いただきまきの そうでした、補色作戦はMorrisさんにもアドバイス頂いて、私も水色好きだったのでこの色合いにしました!(^^)

 

勉強の戦略、承知しました。(やや長くなります)

まず、参考にされる方の為に、私の20206月時点のスタートラインをお伝えすると、英語は大卒時にTOEIC 675(4年前無勉で受けた会社のTOEIC IP 550点笑)。センター試験未受験のため生物・物理・化学は中学止まり。統計は経済学部卒だったこともあり統計検定3級なら取れる程度でした。現在は、TOEIC 815(2021/2)TOEFL 71(2022/8)、各科目KALS模試での偏差値は大体55前後です。

 

受験戦略としては、第1志望校が4科目であるため4科目型で行くというのは受験当初から確定していました。また、受験大学の過去問等を分析した結果、医学部編入試験は出題傾向が変わりやすいこと、多科目型へシフトしている大学が多いこと、面接点の比重が高いことがわかりました。その為、英語や生命科学を尖らせるのではなく、満遍なくそこそこの水準を目指し、1次試験をまず通過することをターゲットにおいていました。学習の到達度として、KALS模試の偏差値5560程度まで、過去問でいうと67割程度解ける程度まで全科目の水準をまず上げて、全国乱れ打ちすることにしました。その結果は下記です。

 

1年目: 受験校9校  琉球1次通過

2年目: 受験校11校 愛媛1次通過最終合格、山口1次通過

 

結局1次全然通過してないじゃないか笑 という声が聞こえなくもないですが、手応えとして歯が立たなかった大学は1年目富山と2年目長崎くらいで、他は一次通過ライン近くまではいっていた感触です。1年目北海道はBランクでした。

 

勉強方法としては、過去問の分析で到達度を確認し、そこから逆算して週次、月次単位で計画を立て、PDCAを回していく形でした。1811時間程度勉強しました。受験が長引くと緊張感がマンネリ化するため、月次で計画達成度を第三者の家庭教師に報告する機会を作りました。

 

Morris もともと文系のバックグラウンドから、退職して勉強にフルコミットされたのですね。編入試験は一般受験と異なり、受験戦略の立案や勉強のスケジュール管理が難しい印象がありますが、とても上手に対応されたように見受けられます。後進の受験生が取り入れられる方法論があれば教えていただけますか?

 

いただきまきの 方法論というと、やはり学習におけるPDCAが重要だと思います。編入試験は特に、集団の塾等で自動的にマネジメントされるわけではなく、長期戦において個人でスケジュールを立て、己を律し、着実にステップアップする必要があります。超高学歴の方や鉄○会のような塾に通われていた方はそういった学習のマネジメント能力が体に染みついていると思いますが、そうでない私のような人間はこの管理能力を特に意識する必要があると思います。この能力を軽視してやみくもに勉強するのは非効率かつメンタルがやられます。

 

マネジメントの方法ですが、①過去問を分析し、逆算的に大まかなスケジュールを引く、②週次でのタスクに落とし込む、③日次で具体的なタスクに落とし毎日評価する、④月次で第三者にチェックしてもらい、必要があればリスケする、です。ビジネスマンには当たり前のような話ですが、勉強となると集中力のムラなどにより達成度が変わってきたりするため、やはり軽視はできません。私は、①②④をエクセルで管理し、③はQuizKnockの勉強計画ノートで主に管理していました。加えては医学生の家庭教師サービスを活用しました。ポイントとしては、過去問を5年分解いて傾向を知る、タスクを細かくし過ぎない、マストなタスクは1日の早い段階で達成する、達成したものには達成の印をつける(自己肯定感大事)だと思います。

 

Morris 丁寧に教えていただきありがとうございます。

 

ちなみに今後、家庭教師として活動されるご予定はありますか??もし自分が受験生なら、ぜひいただきまきのさんにメンターになっていただきたいです!

 

いただきまきの そのように言っていただいて恐縮です...。家庭教師・メンターですか、、、私自身医学生になってからのキャパシティが見えていないので、あまり考えていませんでした(^^; 僕でよければという感じですが、ごくごく少数で、熱意と自調自考できる方であれば、、、考えます(;'∀')

 

Morris 変な質問をして申し訳ありませんでした。笑

 

最後に、受験生に向けてメッセージをお願いいたします!

 

いただきまきの いえ、とんでもない、ありがとうございます(^^)/

 

最後にメッセージとして、私からは受験の心持ちについてお伝えできればと思います。

 

医学部編入試験においては、理由もなく書類選考で落とされたり、筆記試験では急に過去問と傾向が変わったり、二次面接では面接練習していたことと全く異なることを問われたりと、自身が頑張ってきたことと裏腹に結果が伴いにくく、裏切られたような気持ちになることも多くあると思います。

 

ただ、私の経験から言えることは、①諦めないこと信頼できるコネクション・仲間を作ること が重要だと思います。挫けそうになった時は、なぜ医師になりたいと思ったのかの初心に返って、自身を奮い立たせるとよいと思います。私はいつも『ここで諦めたら人生絶対後悔する!!』と思って奮起していました。また、切磋琢磨し、時には愚痴を言える仲間がいると精神安定すると思います。私は特に、Morris Labの素敵な仲間をはじめ、スタディプラスやTwitterで繋がった仲間に助けられ、共に頑張ってきたことで、指一本ひっかかる結果につながったと感じています。これらは私が18歳頃にはありえなかった、現代の学習スタイルです。SNSをはじめ、自分の学習にとってプラスのものはなんでも積極的に取り入れて行くことが肝要だと思います。

 

長くなりましたがお読みいただきありがとうございました、がんばってください!!!